季節の食養生「夏至」②

前回に続いて、中国の記事よりこの季節におすすめの食材をご紹介します。今回はおすすめの果物と豆類です。

【夏至吃三果・夏至の頃に食べたい3つの果物】

1 西瓜(すいか)スイカの性は寒、暑熱を解す「清熱」のはたらきがあります。加えて、体内の水分を増やし喉の渇きを解消する「生津止渇」の効能から、「天然の白虎湯」(*熱中症などにみられる発熱やほてり、のどの渇きなどを解消する漢方薬)とも言われる暑い季節に最適の果物です。ただし身体を冷やす作用が強いため、食べ過ぎは脾胃の陽気を傷めてしまいます。胃腸虚弱の方や冷え性の方は食べ過ぎないようにしましょう。

2 茘枝(ライチ)ライチの味は「甘酸」で性は「温」。効能は「生津養血」「健脾止瀉」「温中理気」「和胃降逆」・・・つまり、身体を温め、津液を生じさせ血を養う、また、胃腸機能を改善して下痢を止めたり、おなかを温めて気の巡りを改善、胸やけや吐き気、嘔吐を抑える・・と効能は多岐にわたります。脾の虚弱で軟便になりがちな方、日々疲れを感じやすい気血不足の方にはおすすめの果物です。ただし食べ過ぎは厳禁です。身体を温める作用があるため、陰虚体質の方、特にほてりやのぼせ、目赤などの症状がある方は注意しましょう。

3 桑椹桑の実・マルベリー)桑の実の味は「甘」「酸」、性は「寒」、帰経は心・肝・腎です。身体を内から潤して血を増やし乾燥から守る効能があります(滋陰補血・生津潤燥)。夏至の頃は汗を多くかき、陰液のひとつでもある「血」が不足することで動悸や健忘、不眠や多夢などの症状や焦燥感(イライラ)も良くみられます。スーパーフードともいわれる桑の実はそれらの症状を緩和してくれるでしょう。

【夏至吃三豆・夏至の頃に食べたい3つの豆】

1 赤小豆(あずき)あずきの味は「甘」「酸」、性は「平性」で身体を温めもせず冷やしもしません。帰経は心・小腸・脾。身体の余分な水分(湿)を除き、胃腸機能を整えてむくみを改善、水はけのよい状態にしてくれる優れた食材です。脾胃の虚弱から肥満になりやすい体質の方にはあずきと党参を用いて身体の水はけを良くすることで(健脾利湿)ダイエット効果も期待できます。湿を除く効果が高いのでこちらも食べ過ぎにはご注意ください。特に乾燥肌の方、やせ型の方は気を付けてください。

2 緑豆(りょくず)緑豆は「清熱解暑」の効能で身体にこもった熱を冷ましてくれます。また喉の渇きを解消したり、利尿のはたらきもあります。爽やかな緑豆スープは喉越しも良く夏の養生にぴったりです。

3 扁豆(インゲン豆)味は「甘」性は「平性」胃腸の働きを整え体内の湿を取り除いて下痢などを改善する作用があります。夏の暑い時期におなかを壊しやすい方にはおすすめの食材です。

☆暑い夏は食欲も落ちてしまいがちですが、健康管理に毎日の食事はとても大切です。バランスのよい食事、体質に合った食養生で、どうぞこの夏もお元気にお過ごしくださいね。

 

 

最近の記事

  1. 登録されている記事はございません。

カテゴリー

  • カテゴリーなし
月を選択してください