高級薬用人参と云えば、高麗人参(別名:朝鮮人参)を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は、同じ人参の仲間の「西洋人参」が、漢方の本場の中国では数十年前から最も人気のある人参です。
中医学の概念からの西洋人参の特徴として:
- 益気清熱生津(えっきせいねつしょうしん)
- 益気養陰(えっきよういん)
があります。
「益気清熱生津」とは、
- (益気)不足した気(生命エネルギー)を補い、
- (清熱)体を冷まし、
- (生津)陰液を養い潤すこと
が得意という意味です。
「気」を補う薬用人参の中でも、西洋人参は珍しく性質が涼性のため、「2」と「3」の働きをすることができます。
これが、夏には西洋人参が推奨される理由です。
また、体を元気にしながら中枢神経を抑制、神経を興奮させず沈静化させる、といった特徴もあります。
人参の仲間ですので滋養強壮に優れ免疫力を高めることでも知られています(ちなみに、人参の仲間では高麗人参のような温性のものが多く、頭にも血がのぼり、のぼせやすくなるといわれています)。
次に、「益気養陰」とは、
- エネルギー(気)を補いながら
- 潤いを与える
ことを意味し、特に陰液が不足しやすい高齢者のアンチエイジング人参として大人気です。
「1」の働きによって、エネルギーを補い「気」の本来の働きを活発にさせることで、頭の重だるさや全身倦怠感を改善します。
また、「2」の働きにより、乾燥した肌・関節・のど・口を潤すほか、血の中の液体量を増やし、血流をサラサラにすることによって、胸の息苦しさ・動悸などの痛みを改善するのに適し、老化防止に役立つと考えられています。